グローバルキャリア講座

“希望”が未来をつくる復興支援

June 4, 2015

昼休みの講座としてすっかり定着してきたグローバルキャリア講座。今回も用意した126席ほぼ全てが埋まりました。
この日のテーマは「国際協力」。講師には、内閣府国際平和協力本部事務局の平井礼子さんを迎え、アフガニスタンでのご自身の支援活動をもとにお話しいただきました。

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講座は、NGOピースウィンズ・ジャパンの活動で赴いたアフガニスタンで出会った子どもたちの話からスタート。平井さんが本格的に国際協力の仕事に携わるようになってすぐの活動でした。

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水道が整備されてないアフガニスタンでは、雨の降らない時期は遠くまで水を汲みに行かなければいけません。それがどのくらい大変なのかを実感しようと、少年たちの水汲みに同行した平井さん。
6月は暑さのピークを迎える前の季節ですが、出発の午前9時の気温は既に36度。炎天下の中、2時間半かけてたどり着いた水場は、濁った水がほんの少しずつ湧き出す小さな泉でした。

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「アフガニスタンでは、家族で1日80ℓの水を使います。換算するとひとり当たり8ℓ程度です。では、日本人は1日何ℓの水を使っているでしょうか?」」と平井さんは生徒たちに質問します。いくつか答えがあがりましたが、正解の「233ℓ」という数字は、予想をはるかに上回るものでした。

その事実から、どれほど違う環境で生きているかが生徒たちに伝わっていきます。

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「汲んだ水を乗せたロバも重いし、家族が待ってるから早く帰らないといけない」。水を汲み終えると、そう言ってすぐに家に引き返す少年たち。遊び盛りの6歳から12歳の子どもたちが責任を持って仕事を全うしようとする姿に、悲しくも感動されたそうです。

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2001年には、30年に及んだ内戦が終わり、国際支援による復興が進んだ一方で、武装組織によるテロや戦闘が続くアフガニスタン。

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「一緒に水汲みに行ったあのときから9年、子どもたちはみなさんと同じくらいの歳になっています。“希望”を持って生きているでしょうか?」「中学や高校に進学できたかどうかもわからず、紛争に駆り出されているかもしれません」と平井さんは言います。

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このあと平井さんは、グラフや図を示しながら、途上国が紛争や貧困から抜け出せない仕組みを説明。
「アフガニスタンに生まれた子どもたちは、そこに生まれただけで、貧しい生活を強いられています」。

「同じ人間として、この状態を放置していいのでしょうか?私はそう思いません。今の世代は難しくても、次の世代に“希望”をつないでほしい。今日の話がみなさんの考えるきっかけになっていればと思います」と最後にメッセージ。
ひとりひとりに訴えかけてくる平井さんのことばが、みんなの胸に刻まれました。

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講義後には、多くの生徒が平井さんのもとに集まり、「貧しい人たちのために何をすればいいですか?」「住む場所に困っている人について聞かせてください」「社会の仕組みを改善するために必要なものはなんですか?」と次々に質問。

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今日の講義で繰り返し出てきた“希望”ということば。“希望”をつなぐ次の担い手として自分たちを意識する気持ちが、生徒たちの中に確かに芽吹いていました。

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Lecturer Profile
平井礼子
Reiko Hirai
内閣府国際平和協力研究員。国際基督教大学教養学部国際関係学科卒業。民間金融機関勤務後、ジョンズ・ホプキンス高等国際問題研究大学院にて国際開発学・南アジア研究を専攻・修了。NGO職員や国連職員、コンサルタントとして日本およびアフガニスタン等において平和構築・人道支援・復興事業に携わる。2014年6月より現職。