グローバルキャリア講座

命を守り、つなげるための支援

September 24, 2014

国際機関の第一線で活躍されている方々から、実際に体験されてきたことをお話しいただく『グローバルキャリア講座』。
第2回は、9月24日に日本国際ボランティアセンター(JVC)アフガニスタン事業統括の小野山亮さんを講師に迎えて開催されました。

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高学年校舎のアトリウムに設けられた特設会場で、昼休みの30分間を使って15分の講演(プレゼンテーション)と15分の質疑応答という構成のTED方式で行われました。校内放送のアナウンスを合図に4時間目の授業を終えた生徒たち50名あまりが、昼食を手に集合。

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小野山さんがNGOや国際ボランティアの活動に関わるようになったきっかけは、幼少期の体験から、「国と国ではなく個人と個人がつながることで何かができたらいいな」という想いがあったからだそうです。

現在、現地にいる35人のスタッフと共に、戦争で荒れ果ててしまったアフガニスタンの人々の命を守る医療と将来をつくる教育を支援。
そこでの体験や現地の実情と共に、テレビやニュースなどでは知る機会の少ない貴重なお話をお聞きしました。
どうしたら、現地で暮らす人々の役に立つのか、将来につなげていくことができるのかという視点から語られるエピソードはとてもリアルで、生徒たちも大きく共感しながら話に聞き入っていました。

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今回は、質疑応答の時間を別に設けず、講演の中で行いました。現地で実際に起きたことをもとに質問し、二択、三択で答えを選んでその理由を言うという形で進行。

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「紛争地域で診療施設がアメリカ軍に攻撃を受けたら抗議するのか、しないのか?」という質問に挙手で答え、数人の生徒にそれぞれの理由を聞きます。そして実際に団体が抗議をした結果どうなったのかという実例と共に、正解はひとつではないこと、さまざまな可能性と結果があることが伝えられました。

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危険と言われる地域で、現地の人を支援する活動は、ともすると慈善的な側面のみで語られるが、自分はただただこの仕事が好きで続けていること、個人と個人がつながることで環境や状況が変わっていくことが嬉しいと、気負いなく語る小野山さんの口調には、柔らかさと温かみがあふれていました。

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この講演をとおして生徒たちは、想像もつかない環境下で自分たちはどのように行動できるのか、ただ正解探しだけをしていてもはじまらない現実と、動くことで変わっていく現実があることを知ることができました。

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30分という時間はあっという間に過ぎ、講演終了後も、国際ボランティアにずっと興味があったという数名の生徒が、引き続きメモをとりながら熱心に話を聞いていました。

Lecturer Profile
小野山 亮
Ryo Onoyama
日本国際ボランティアセンター(JVC)アフガニスタン事業統括。立教大学兼任講師(民族紛争と平和)。 複数の国際NGO団体に勤務し、スリランカでの内戦や津波被害の救援活動をはじめ、いくつかの国と地域で生活支援に従事。2012年よりJVCに参加。平和と民族の分野で活動を続けている。