グローバルキャリア講座

“チャレンジ精神”が導く国際協力

December 13, 2018

本格的な冬の到来を感じる12月。
2018年のグローバルキャリア講座を締めくくるのは、玉川大学農学部 生物環境システム学科4年生の眞木凌さん。

自らの夢に向かって挑戦していることと、そこにかける想いを、「私の挑戦のコツ」というテーマでお話いただきました。

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自己紹介からはじまった講義は、幼い頃の家族との思い出や一人旅でのヒッチハイクの体験談など、年代の近い先輩の話が、さっそく生徒たちの好奇心をかき立てます。
明るく親しみやすい語り口と相まって、会場はワクワクと楽しい雰囲気が広がりました。

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幼い頃から自然と触れ合いながら育ち、「農業を学んで生物の先生になろう」という想いで、大学に入学した眞木さん。
生物の先生に代わって、農業による国際協力を志すようになったのは、大学1年生の秋に受けた石川晃士助教授の授業がきっかけでした。

開発コンサルタントとして南スーダンで農業政策に携わっていた石川助教授の話は驚きの連続で、「途上国には農業で困っている人がたくさんいることを知り、大きな衝撃を受けました」と当時を振り返ります。

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そして、石川助教授の紹介で、野菜菜園の指導をするため、カンボジアに赴いた大学2年生の春休み。
家族を虐殺されて農業技術を失った人、僻地で必死に農作業に励む人々を間近で見て、「なんとかして途上国の農業をサポートしたい」という想いが芽生えます。

このとき、眞木さんは「農業での国際協力をしていこう」と覚悟を決めました。

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その後、ユーラシアユースサミット、国際学生リーダーシップ・シンポジウムといった学生向けの海外研修プログラムに参加。
国内外のさまざまな人たちとディスカッションを重ね、農業分野における国際協力を模索するなど、精力的に活動しています。

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「僕の夢は、農業面での国際協力をして小規模農家をサポートすることです」と、将来のヴィジョンを力強く伝える眞木さん。
続いて、その行動と想いの背景にある2つの出来事をお話しされました。

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「僕は気管支喘息という持病を持っています。今は元気なのですが、免疫が低下する35歳頃から入退院を繰り返すかもしれないとお医者さんに言われています。だからあと10年の間にしっかりと活動していきたいです」

「海外滞在中に、親友が自殺し、ショックで気持ちが真っ暗になった時期がありました。しかし、『またいつか親友に会えたとき、自分の思い出話をしてあげよう』と思い直しました。だから、いろんな思い出をつくるため、僕は挑戦をしているんです」

現実をしっかりと受け止めて原動力に変え、夢に向かっていく眞木さんの強い意志に共鳴するように、生徒たちも真剣な眼差しを向けていました。

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来年から青年海外協力隊としてモザンビークで野菜栽培指導にあたる眞木さんは、開発コンサルタントとして途上国支援をしていくことを視野に入れ、挑戦の歩みを進めます。

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「目の前にチャンスが来たり、ちょっとでも興味があることに出会ったら、ぜひトライしてみてください。挑戦するとまた新しい挑戦が広がるはずです。僕も農業面での国際協力に少しでも関係があれば参加するようにしてチャンスを広げてきました。今後もチャレンジを続けようと思っています」

眞木さんの確信に満ちたことばは、 “挑戦することの大切さ”を強く、まっすぐに生徒たちの心に届けました。

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「学生のうちにやっておきたいことはなんですか?」「いろいろな海外経験をされてますが、お金の工面はどうされましたか?」。
講義後は、生徒たちにとって身近なことなど積極的な質問が交わされてしました。

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描いた夢に向かって、挑戦を積み重ねていく眞木さんの姿勢に刺激を受けた生徒たち。
自分の夢を持って国際社会にチャレンジする勇気を受け取りました。

Lecturer Profile
眞木凌
Ryo Maki
2014年愛知高等学校卒業。同年玉川大学農学部入学。2017年度Tamagawa Global Leadership Fellowsで最優秀賞を受賞。ユーラシアユースサミット、国連主催の第8回 国際学生リーダーシップ・シンポジウムに参加。2018年アメリカ国務省主催「Study of the U.S Institute for Student Leaders on Global Environmental Issues」日本代表として参加。熱帯地域の農家に対する農業面での国際協力の実現を目指し活動中。