模擬国連/MUN@IB

体験して学んだ模擬国連の意義

December 9, 2018

毎年全国の学校から100名以上の生徒が集まり、国連会議のシミュレーションを行う「SGH玉川学園 模擬国連会議」。この日は、年明け1月13日、14日の開催を前に、会議のやり方を理解するための「模擬国連研修会」 が行われました。

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研修会は、午前は生徒、午後は教員を対象にした2部構成で実施。教育現場への模擬国連会議の普及を目指す「全国中高教育模擬国連研究会」に協力いただき、未経験者でもわかりやすいように、解説と体験を交えながら進められました。

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午前中は、玉川学園の高校1、2年生15名と、渋谷教育学園渋谷中学高等学校の中学3年生5名の生徒が参加。
「全国中高教育模擬国連研究会」の中川慶さんから、模擬国連会議について説明を受けた後、会議をスタートしました。

まず、アフリカの国々から担当する国を選び、議題の「水・衛生・灌漑分野に関する横浜行動計画2019案」について、その国の代表として議論を進め、全ての国が利益を得られるような案を5つ作成することを目指します。

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会議は、各国の大使である生徒がそれぞれの意見を全体に向けスピーチして公に交渉を進める“モデレートコーカス” と、自由に議論する相手を選び直接交渉する“アンモデレートコーカス”を繰り返し行っていきます。

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「どの国も先進国から技術を学び、衛生問題に対応する必要がありますね」「ナイジェリアは下水処理がなされていない問題があります。アフリカ全体の問題でもあるので、お互いにうまく解決策を探りましょう」 。
どうしたら国同士が手を取り合い問題を解決できるのか、その答えを探って各国の意見に耳を傾けます。

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「本当にそれで大丈夫ですか?」「平等な案と言いますが、国によって平等とは言えないこともありませんか?」。
クリティカルな視点でじっくりと考察しながら議論が重ねられる一方で、時折聞こえる笑い声が、会場の空気を和ませていました。

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最終的に各国にとって相互に利益のある決議案が出揃い、投票の結果、すべての案が採択され会議が終了。互いの健闘を拍手で讃え合いました。

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普段は違う環境にいる生徒同士が、ひとつの議題をめぐって、国の代表として議論を交わす体験から、たくさんの刺激と気づきを得た生徒たち。本番に向けてしっかり準備を整えました。

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午後は、8校14名の先生方が、生徒たちと同様に「全国中高教育模擬国連研究会」の中川さんから説明を受け、14の国の大使として同じ議題で討議しました。

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はじめに行われた模擬国連会議の流れやルールについての解説を、ひとことも聞き漏らすまいと真剣な様子でノートに書き込んでいく先生方。

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“モデレートコーカス” と“アンモデレートコーカス”、フラッグを使った賛成表明、決議案の記入など、会議のルールや手順をひとつひとつ確認しながらの会議体験では、初心者の先生もすぐに順応して、国の問題についての討論を深めていきます。

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また、疑問点はこの場で全て解決されようと、要所要所で行われる運営のアドバイスを真剣に聞き、わからないことは積極的に質問されていました。

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「生徒たちはすごい活動をしていますね。今日それを実感しました」 「こうやって模擬国連のやり方を思い返せる機会が必要だなと思いました」。研修後には、それぞれに感想を伝え、自然に交流する姿がありました。

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それぞれに有意義な学びを得た生徒と先生方。迎える「SGH玉川学園 模擬国連会議」での再会と活躍を約束して、この日の研修会は終了しました。