模擬国連/MUN@IB

先生が体験する模擬国連会議

December 10, 2017

全国中高教育模擬国連研究会が主催する教員対象模擬国連会議が行われ、14校21名の先生方が、議題の「シリア情勢」について、21の国の大使の立場で討議し、決議案を導き出しました。

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全国中高教育模擬国連研究会は、8月に全国から67校467名の生徒が参加した全国教育模擬国連会議を実施するなど、中学・高校の教育現場への導入・普及を目指して活動。グローバル教育の必要性にも注目が集まるなか、模擬国連会議の意義や教育効果が広く認知されつつあります。

今回の教員対象模擬国連会議はそうした背景のもと、指導や経験のない先生方の知見を積むことを目的として開催されました。

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会場の教室に集まった先生方は笑顔で挨拶を交わしながら、事前に割り当てられた国のプラカードが置かれた席に着き開始を待ちます。

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まず、全国中高教育模擬国連研究会会長を務める先生から挨拶と活動報告。続いて先生方が順に自己紹介を行います。
「生徒たちの要望ではじめたが、自分は経験がないので勉強にきました」「新幹線の移動中に資料を読み込んできました」など、それぞれの参加理由に共感や笑顔が広がり、空気が一気に和んでいきます。

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この会議ディレクターから、会議テーマや禁止事項などの説明とともに模擬国連会議の流れが伝えられます。「今日は生徒役として、たくさん間違っていってください」ということばも交わされて、いよいよスタートしました。

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まず、出欠とはじめのスピーチの希望者を確認。そして今回の会議をどのように進めていくのかを決めていきます。会議は主に、全員が着席した状態で意見をやりとりする全体交渉=モデレートコーカスと、自由に動きながらそれぞれにコミュニケーションしていくアンモデレートコーカスで行われます。

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このあとの議論をする上でも各国の意見や政策を知る必要があることに同意し、それぞれの国の立場や現況、情勢を踏まえて30秒でスピーチする先生方は、すっかり各国の大使になりきっていました。

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会議は議長の進行で、要所々々に会議のスタイルやルール、用語の解説を伝えながら進められます。意見を述べるときのコールや、プラカードを掲げての表明、質疑応答の仕方など模擬国連独特の進行に少し戸惑いながらも実践し、着実に理解を深めていく先生方。

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「今日は生徒役ということなので、テーマから外れるかもしれませんが、国益にこだわり素直に質問します」。
そうした生徒目線での質問も含め、模擬国連会議に参加する生徒たちの学びに向けた想いがひしひしと伝わってきます。

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次第に熱気を帯びてきた会議後半、アンモデレートコーカスによる交渉の提案に動き出す先生=各国大使たち。議案書作成のため、2つの論点に応じてグループに分かれ、白熱した議論を交わしながら現実的な決議案に落とし込んでいきます。

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各グループでとりまとめた意見を記した議案書を作成し提案。決議案についてスピーチを希望した国からの説明、参加国投票の末、決議案を採択し、およそ4時間にわたった会議を終了しました。

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最後は、会議ディレクターからの講評を受けます。実際の模擬国連会議でも伝える例でもあり、「会議をやりっぱなしにしないために、できたこともできなかったことも現実をもとに話しています」ということばを頷きながら聞く先生方。

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今回の経験で得た理解を生かして、今後の指導への自信と生徒たちのレベルアップを支援できることの充実感とともに、模擬国連会議の魅力を満喫されました。