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SGHの取り組みを後押しする、“学びの技”が培う力

October 28, 2017

玉川学園の教育理念である「全人教育」に基づいた活動を学外に伝える、『第6回探求型学習研究会』が開催されました。

今回の研究会のテーマは「K-12一貫教育におけるラーニングスキル育成の体系化」。
思考力と表現力を育てるカリキュラムとして幼稚部から中等部で取り組む「学びの技」を軸に玉川学園の探求型学習の活動を、150名以上の先生方や来場の方々に向けて報告しました。

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SGHの成果は、生徒によるポスターセッションで紹介。「グローバル・スタディーズ」「アフリカン・スタディーズ」「ヨーロピアン・スタディーズ」の3つの活動について発表しました。

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「グローバル・スタディーズ」に取り組む生徒6人は研究結果を紹介し、「アフリカン・スタディーズ」で南アフリカとボツワナを訪問した生徒たちは、豊富な写真とともに現地で学んだことを報告。「ヨーロピアン・スタディーズ」に参加した生徒たちは、現地の学生にプレゼンした国際問題についての研究をブラッシュアップして発表しました。

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パネルの前に集まった人たちに、プレゼン資料を見せたり、反応に答えたりしながら、ていねいに内容を伝えていく生徒たち。今年は例年以上に、「挑戦したい」という気持ちに背中を押されて果敢に英語で発表する姿が見られました。

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そんな生徒たちの熱意は来場者にも伝播し、「なぜこのような対立が出てきたんですか?」「人種差別はなくなると思いますか?」「フェアトレードは値段が高くなりますが、改善策は考えていますか?」などの積極的な質問が続きます。

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たとえその質問の答えがわからなくても、自分なりに考え、自分のことばで応える生徒たち。発表のたびに気づいたことや改善点を見つけ出し、研究テーマへの見識を深めていました。

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午後は、子どもの情報行動・情報リテラシーを研究されている鶴見大学文学部教授の河西由美子さんによる基調講演と、「学びの技」の実践報告が行われ、100人以上の教育関係者が集まりました。

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「子どもたちの学びの技の問いは非常におもしろいですね。何かを学ぶためには、そういう問いにたどりつけるかどうかが重要です」とおっしゃる河西さんの講演テーマは、「探求型学習の系譜~玉川学園“学びの技”が生まれるまでとこれから」。

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「図書館は探求型学習を支援する環境・施設となり、とても大切な役割をもっています」といった、探求型学習の特徴や日本で実施する上での課題と図書館の役割などについてお話しされました。

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続いての実践報告では、玉川学園で「学びの技」を実践する3名の先生方が、具体的なカリキュラムと、授業の背景や学習効果を説明しながら取り組みを紹介。

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手元の資料にペンを走らせながら熱心に耳を傾けていた参加者からも多くの質問が上がり、こうした取り組みへの関心の高まりが示される場となっていました。

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玉川学園の全人教育の理念が、「学びの技」をとおして実践される様子が発信された今回の研究会。これから世界に羽ばたいていく生徒たちの挑戦する意欲を支え、一歩を踏み出すための礎となる学びの意義を伝えました。

Lecturer Profile
河西 由美子
Yumiko Kasai
鶴見大学文学部 ドキュメンテーション学科 教授。2008年東京大学大学院 博士号授与(学祭情報学)。2006年度開設の玉川学園マルチメディアリソースセンターには設計から関わり、3年間学習支援室長として運営に携わる。玉川大学教育学部講師・准教授を経て現職。2013年より、玉川学園「学びの技」会議アドバイザーに就任。図書館概論や情報サービス論を受け持つ。研究テーマは子どもの情報行動、初等中等教育の情報リテラシー。