ヨーロピアン・スタディーズ

“現地”を体験して見えてくること

January 15, 2016

「多様な文化を理解して世界の諸問題に興味を広げ、グローバルに活躍する全人的リーダーの資質を養うこと」を目的に、ヨーロッパ各地を訪問する「ヨーロピアン・スタディーズ」が実施されました。

今年は、9年生(中3)から11年生(高2)の11名が、1月4日から15日までの12日間、ドイツ、ポーランド、スイスの3カ国を訪問。環境政策を推進するフライブルグ市、アウシュビッツ収容所、ヤギェヴォ大学、UN欧州本部、国際赤十字、国連難民高等弁務官事務所、国際労働機関の各所を訪れました。

photo_01

成田から12時間のフライトと3時間のバス移動を経て、はじめの目的地フライベルグ市に到着。
さっそく翌日から市内の工業高校と小水力発電設備、旧市街地を訪問し、同市が推進する環境政策レクチャーを受けて、持続可能な街づくりについて学びました。

photo_02

photo_03

次の日は、前日のレクチャーをふまえてトラムで市内各所を巡りながら、実際に持続可能な街を探訪。その後は、日本人留学生の案内でフライベルグ大学構内を見学し、同市での活動を終えました。

photo_04

photo_06

バスと飛行機を乗り継いだポーランドへの移動では、“シェンゲン協定”による検査なしでの国境越えを体験。

photo_07

5日目は、アウシュビッツ・ビルケナウ博物館を訪れました。最初で唯一の外国人公式ガイドである中谷剛さんの案内で施設を見学。アウシュビッツの歴史、当時と現在の人々の考え方の違いなどをわかりやすく解説していただきました。実際の地でそのスケールや気温などの環境を体感し、収監された人々の過酷な状況を知ったことは、大変衝撃的な体験となりました。

01

02

翌日は、コペルニクスやヨハネパウロ2世なども在籍していたポーランド最古の大学、ヤギェヴォ大を訪問。日本語を学ぶ学生たちと交流し、「人権」「外交」「国際交流」「環境」の4テーマに分かれたグループが、英語でプレゼン。ポーランドでの取り組みや、互いの意見を交換し、討論を行いました。

photo_08

photo_09

次の訪問地、スイスのジュネーブでは、2日間で4つの国際機関を訪問。1日目は、国連の欧州本部の見学ツアーに参加し、国際協力の歴史について学びました。続いて訪問したのは、国際労働機関(ILO)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)。ILOでは10年生が「日本とEUの貿易事情とその課題」について、UNHCRでは9年生が「Refugee Issue(難民問題)」について、それぞれ英語でプレゼンを行い、両機関の職員の方々から貴重なコメントをいただきました。

photo_10

photo_11

photo_12

ジュネーブでの2日目は国際赤十字を訪問。施設内のさまざまな展示から、赤十字の歴史や活動について知った後、2時間のワークショップに参加。戦争時に必要な共通ルール、人権について、グループワークを通じて学びました。

photo_13

photo_14

最終日は、悪天候のためシャモニー・モンブラン登山の予定を変更し、ジュネーブの旧市街地を見学。ジュネーブ大学やサンピエール大聖堂を巡り、ヨーロッパの歴史、文化の片鱗に触れました。

photo_15

photo_16

その後は、この研修で感じたことやこれからの目標をひとりひとりが発表し、振り返りを行いました。
全ての生徒が、写真や資料でわかることと実際に体験することでは全く印象が異なることを知り、有意義な学びになったことを実感。それぞれが国際機関で活躍するキャリアへの可能性を感じるツアーとなりました。