今年度20回目のグローバルキャリア講座。玉川大学文学部4年生の税所里帆さんを迎えて、「私の国連への挑戦」というタイトルで、オーストラリア留学や国連観光機関(UNWTO)でのインターン経験を聞きました。
「海外で働くことに興味はありましたが、高校の頃は別世界の話だと思っていました」。
現在は夢に向かって精力的に活動している税所さんですが、当時は自分に自信が持てず、国際舞台で働くことはまったく考えられなかったそうです。
転機になったのは、大学2年の時のオーストラリア留学でした。
はじめて親元から離れて生活し、人と触れ合い、多様な考え方に接することで、それまで否定してきた自分自身をありのままに受け入れられるようになった税所さん。帰国して、夢中で駆け抜けた2年間を振り返ったとき、「私はできるんだ!」と自信を持つことができ、それからはやりたいことに積極的に挑戦するようになったそうです。
自分に自信を得た後は積極性が増し、大学3年の時には、「日本でひとりしかない枠だし、学生の応募は無謀」と言われた国連世界観光機関のインターンにチャレンジ。見事インターンの枠をつかみ取りました。
「自分で限界をつくったら、できることもやらなくなってしまう。だから自分に限界をつくってはいけないと思います」。
穏やかな口調ながら、しっかりと芯の通った力強いメッセージが伝えられました。
インターン先のスペインのマドリッドでは、観光の企画づくりや本の編集・校正、出版などに携わり、時に責任ある仕事も任されました。「どんなに小さな仕事でも時間と締め切りを守って、責任を果たすことが大事」ということばには、現場での経験で得た実感が詰まっていました。
税所さんは現在、「観光を通した発展途上国・地域の開発に携わる」という夢に向かって、卒06業論文の執筆と“Embassy Academy”プログラムに取り組んでいます。
論文の取材で訪れたタンザニアで「幸せ」について考えたり、外交問題について英語でディスカッションしながらリーダーシップを身に付けたりと、日々の経験からたくさんのことを学び続けています。
「“Chances are in Challenge”。チャンスは挑戦の中にあります。チャンスをつかむために、ぜひみなさんも挑戦という第一歩を踏み出してください。私もこのことばをモットーにこれからも挑戦していきます」と、後輩たちにエールを伝えました。
質疑応答では、「高校生活でやっておくべきことはなんですか?」「コミュニケーションがうまくいくために心がけていることはありますか?」と積極的な質問がたくさん上がりました。
身近な先輩の姿に、自分たちの将来像を描きながら聞いていた生徒たち。常に明るくチャレンジしていく姿勢に、夢に向かって一歩を踏み出すヒントをつかみ取ることができました。