「アフリカン・スタディーズ」は、アフリカを訪問し、発展途上国の人権や貧困について現地で学ぶ海外研修プログラム。
今年は、12年生(高3)13名が参加し7月24日から8月4日までの12日間、ボツワナ共和国と南アフリカを訪問しました。
初日は南アフリカの野生動物保護区でたくさんの動物と大自然に触れ、翌日のボツワナへの移動では陸路での入国など、日本とは全く異なる環境を体験しました。
このスタディツアーでは、現地の学生との交流もひとつの目的。ボツワナでは玉川学園と交流のあるマルアプラ校、ボツワナ国立大学、南アフリカではラウンドスクエア加盟校のセイント・サイプリアンズ校の3校を訪問しました。
授業に参加して英語でのプレゼンテーションをしたり、現地の高校生と相部屋で寮生活を送り、遊びや学びを共にしながら、たくさんの貴重な時間を共有しました。
当初はアフリカでの生活の不安や、“怖そう”というイメージを持っていた生徒も、滞在中に交流した現地の人のやさしさ、純粋さに触れることで、自然とアフリカという環境に慣れていくことができました。
現地で働く日本人に話を聞き、国際的なキャリアを考える機会もありました。
JICAハボロネ事務所支店長の星野さんや現地の子どもたちに柔道を教えている青年海外協力隊員の方に、「海外で働くこととはどういうことか?」というお話をお聞きし、それぞれが自分の進路について考えました。
中でも、“貧困”について学ぶために訪れたボツワナのムシャーナ村、南アフリカのケープタウンにあるスラムで目の当たりにした光景は、生徒たちにとって特に印象深いものとなりました。
恵まれない家庭が多いその土地で日用品やお菓子など支援物資を届ける奉仕活動では、お菓子をもらえなかった子供たちが、「I am hungry. I want sweets」と訴えながら集まってくる様子に、貧困という現実を肌で感じました。
用意したお菓子を喜んでくれたことを嬉しく感じる一方で、行き渡らなかった子どもたちがいたことが辛く、悔しさで涙する生徒もいました。
それでも、その体験から、「アフリカを救うにはたくさんの人が必要なことがわかったので、自分も積極的にボランティア活動に参加します」「大学では経済学を学び、発展途上国の力になりたいです」「少しでも多くの人にアフリカに興味を持ってもらえるように自分が体験したことを周りに話します」といった前向きな想いが芽生えていました。
プログラムの最後は、ロベン島、カーステンボッシュ植物園、ボルダーズビーチを見学したあと、アフリカ大陸最南端のケープポイントと喜望峰に出かけました。
美しい大海原を前に、全ての行程を終えた達成感とともに、今回アフリカで学べたことを振り返り、現地の人への感謝の気持ちを仲間と分かち合いました。
7回目のアフリカン・スタディーズに参加した笑顔いっぱいの生徒たち。自分自身の五感をフルに使ってアフリカを知り、広い視野で世界を見ることの重要性や、将来のキャリアに目を向けることの意義を心に刻みつける旅となりました。