玉川学園の教育理念、「全人教育」の取り組みを学外に向けて報告する、『第4回探求型学習研究会』が行なわれました。
今回取り上げたのは、国際舞台で活躍するリーダーを育成する「スーパーグローバルハイスクール」、先進的な理数教育を推進する「スーパーサイエンスハイスクール」、思考力と表現力を育てる「学びの技」という3つの取り組みです。
研究会のテーマは「グローバル時代のアクティブラーニング」。
玉川学園の取り組みに興味を持つ全国の先生方や大学生など、200人を超える来場者の方々に向けて、SGHの成果を伝える機会となりました。
午前中に高学年校舎で行われたのは、ポスターセッションと授業公開。
ポスターセッションでは、この夏のアフリカン・スタディーズで、南アフリカとボツワナを訪問した11年生(高2)が、日本で調べて得た知識と現地で学んだことをポスターにまとめて発表。ポスターを指差しながら、聞いている人たちの目を見て、しっかりと伝えていました。来場者も、生徒たちに積極的に質問をしたり、「高校生のうちからアフリカに行って学べるなんて貴重な体験ですね」と感想を伝えてくださいました。
授業公開では、国連会議のシミュレーションを行う「模擬国連」と、グローバルな問題を体験的に学ぶ「ワールド・スタディーズ」のふたつの授業が行われました。
模擬国連では、「難民をなくすこと」をテーマに、生徒たちが各国代表として意見を出し合います。
来場者約60人が見守る中、はじめは少し緊張していた生徒たちも、次第に熱っぽくディスカッションを進め、大きな盛り上りに。終了後に生徒に話しかける来場者も多く、注目を集めていました。
ワールド・スタディーズでは、「多民族社会となり得る日本で平和をどう実現するか」というテーマでディスカッション。日本社会では、職業の種類や人種によってどういう偏見があるのかをグループで議論した後、全員で円になり、具体的にどんな行動をしていくべきか意見を交わします。
相手の話を注意深く聞きつつ、積極的に意見を伝え合う生徒たちの様子に感心し、席を立って近づいたり、写真を撮る方も少なくありませんでした。
午後からは、講堂に場所を移し、基調講演と分科会が行われました。
約150人の教育関係者が集まった基調講演では、SGHハイパネル運営指導委員長のデイビッド・セルビー博士が、「失われた”鍵”を求めて~公平で寛大な世界の実現において不可欠な学び(Searching for the Lost key: Integral Learning for a Just and Kinder World 」と題し、グローバルな時代に必要とされる学びについてお話しされました。
「グローバルリーダーになるためには、多くの人が避けたがる気候変動や経済成長の影といった難しい問題に立ち向かう力が必要です。ここにいる方々には、生徒にそのような力が身につくよう、自発的な学びの環境を整えられる教育者になってほしいと思います」――。
続く分科会では、玉川SGHを担当する先生方が、プレゼンテーションやパネルディスカッションをしながら、具体的に何をして、どのように工夫してきたか、どんな成果が現れたのかなど、ここまでの苦労や課題も含めた詳細を報告しました。
来場者との質疑応答や分科会後の名刺交換の場面では、具体的な取り組み内容や英語教育について話し合われる姿もあり、会場には、よりよい教育を一緒に模索していくポジティブな空気が漲っていました。
先生方が環境を整え、生徒たちはその中で存分に学び、グローバルに活動していく。一丸となってグローバルな未来に向かっていく、そんな玉川学園SGHの姿勢を発信することのできた有意義な会となりました。