講座開始前、Facebookに見立てたボードを持った生徒たちが写真撮影をしています。
その写真をSNSに投稿することでSGHの取り組みがさらに広まるようにと、生徒たち自身が考案したものでした。
このようにして、生徒たち自身の手でさらに盛り上がりを見せているグローバルキャリア講座。
今回は、元青年海外協力隊としてガーナの学校で教員を務め、現在は玉川学園の理科教諭として教壇に立つ岩佐大助先生に、ガーナでの体験とそこで学んだことについてお話を聞きました。
現地の民族衣装を着た岩佐先生は、最初にガーナに関する4つの質問から講義をスタート。
生徒たちにとって普段は身近に感じられないガーナですが、独特の衣裳や意外なガーナの事実、現地でのエピソードに触れるうちに、自然とその世界に引き込まれていきました。
高校時代、医者になることを志し、医学部にも受かっていた岩佐先生。しかし、すぐに医者の道一本にするのではなく、見識を広げ、自分の可能性を追求するために、理数科に進路変更。卒業後は青年海外協力隊に参加しました。
ガーナでは、理数科を教えること、国の教育を整えることに従事。「ボランティアにはお金以外の精神的な見返りがある」「双方向のコミュニケーションが大事であり、自分の国をもっと伝える力がないといけない」というさまざまな学びがあり、岩佐先生の見識が広がっていきました。
中でもとりわけ大きな影響を受けたのが、現地で見た日本のニュースだったそうです。
「現地にいるとき、東日本大震災や中国尖閣諸島問題が起きました。日本の外でそのニュースを知った私は、強く日本を意識し、日本をよりよくしていきたいと心から思うようになりました」。
そんな思いを抱いて帰国した後は、「日本をよくする若い人材を育てたい」と、教育の道を選びます。大学で教育学の博士号を取得し、現在は教師として日々力を尽くしています。
「日本の外に出て行って自分の肌で感じてわかること、外にいるからこそわかることがあります。みなさんもぜひ積極的に外に出てください」。
「外に行くために、まずはなにを知る必要がありますか?」「どのようにして世界に立ち向かえたのですか?」
講義後の質問は、生徒たちの気持ちが世界に広がっていることがよくわかるものでした。
自分に制限を設けずに外に飛び出し、多くの学びを得てライフワークに気づくことができたという岩佐先生。そのキャリアを詳しく知ることで、生徒たちも自分の可能性を信じ、世界に向かって活動する勇気を得ていました。