全国のSGH指定校を中心とした14校133名が参加する「模擬国連会議」が、玉川学園主催で開催されました。
このような規模での開催は今回が初めてで、昨年9月から準備が重ねられてきました。参加校の募集や議題の設定、情報収集・伝達、資料作成、ルールの確認、当日の議事進行から運営まで、試行錯誤しながら全て生徒主体で進めました。
参加校はそれぞれ31カ国の大使として意見を表明し、国同士での交渉や草案の作成、採決を目指します。今回の議題は、「核軍縮」。
受付けでは、受け入れ準備を整え、関東や関西、遠くは福岡から訪れる各校の到着を待ちます。
参加者たちは、会場に入るとすぐに準備をスタート。運営チームも着々と進行を仕切り、徐々に空気が高まっていきます。
会場には、各国の方針を表明したポリシーペーパーも貼り出され、めいめいに確認しながら、これからはじまる国家間の交渉をイメージしていきます。
9時30分、開会式。スタッフの紹介と会議の注意事項が伝えられ、いよいよ2つの会場に分かれて会議がスタートしました。
各会場では議長による挨拶の後、各国のスピーチから自由な議論、交渉とスムーズに会議が進められていきました。
今回の参加者は、約半数が模擬国連未経験、または初心者だったため、会議監督が解説を加えながら進行。参加者にとってわかりやすく充実した体験になるように工夫をしていました。そうした配慮も功を奏し、会場は活発な意見交換ですぐに熱気いっぱいになりました。
会議は、各国のスピーチや公の発言は英語で行い、個別に行う議論や交渉“アンモデレートコーカス”は日本語で進行。
昼食時にも引き続き熱心に交渉する姿があちこちに見られ、引率の先生方も昼食を摂りながら情報交換をされていました。
昼休みには、朝からの動きをまとめた「模擬国連新聞」第1号が発行され、運営スタッフが会議の進行を支えます。閉会式ではさらに午後の様子と総括を記事にした第2号が発行されました。
午後になると、スピーチとディスカッションを繰り返しながら、立場を同じくする国同士が協力体制を結ぶ動きが現れてきました。
いよいよ最後の採択に向けた草案(DR)の作成もはじまり、会議は大詰めに向かっていきます。
会議の最後は、提案国のスピーチのあと各国が投票を行い、採択する草案を決定しました。その後は、最初と同じく全員が集合して、各会場での会議の模様を報告しました。
閉会式では、2つの会場から各賞が選出され、この日の成果を称え合いました。一日かけて議論し、親交を深めた参加者たちには大きな一体感が満ち、あちこちで会話が弾んでいました。
全体をとおしてどの生徒も自ら意見を求めて動き、とても能動的に参加していました。そして、目的を理解し、するべきことを自分で見つけ出して行動することを何より楽しんでいました。先生方も、そんな様子をとても頼もしそうに見守っていらっしゃいました。
「会議をうまく引っ張っていく熱心な人が集まり、思った以上に楽しい会議になった」「もっともっとレベルアップしていきたい」といった感想が次々にあがり、主催した生徒たちにとってもたくさんの学びを得る機会となりました。
次回への大きな自信が生まれ、玉川学園模擬国連の大切な布石となった1日でした。