物語や有名な演説を、発音や抑揚、アイコンタクトやボディーランゲージを効果的に使って英語で暗唱し、表現力を競う「レシテーションコンテスト」が開催されました。
レシテーションは、英語力の向上と発信力を養う“音読”の実践のため、10、11年生が英語の授業で取り組む学習のひとつ。毎年、各学年から選出された生徒たちがコンテストで発表し、最も優秀な生徒が表彰されます。
発表する生徒たちは、約1ヶ月の間、毎日のようにネイティブの先生の指導を受け、練習を積み重ねてきました。その成果を十分に出せるか少し不安そうな面持ちで、コンテストのはじまりを待ちます。
クリスマスに合わせた衣装を着けた司会の生徒が登場し、いよいよスタート。
コンテストの前半は、10年生の生徒12名が、『星の王子さま』の物語の一場面を発表していきます。背後のスクリーンには学年の生徒たちが描いたイラストが映し出され、ストーリーのイメージを印象的に伝えます。
会場をゆっくりと見回してアイコンタクトを送ったり、ジャスチャーで人物の感情を表現したり、ただ暗唱するのではなく、物語を自分のものにしてしっかりと伝えていく生徒たち。
2学年の全生徒、そして審査員である英語の先生方を前にして、これまでにない緊張を味わいながらも、徐々に練習の成果を発揮しました。
後半のレシテーションの前には、英会話履修者やIBクラスの生徒によるプレゼンテーションも行われました。人種差別をテーマに、自らの経験を交えながら訴えかけるスピーチは情熱的で、圧倒的な表現力と相まって会場を魅了しました。
後半は、11年生・6名の生徒たちが『最後の一葉』『賢者の贈り物』の物語を、5名の生徒たちが、オバマ大統領や村上春樹氏の有名なスピーチを暗唱。
後輩たちの充実した発表に触発された生徒たちは、より堂々と高揚感のある発表を披露し、会場を惹きつけていきます。
途中、緊張でスピーチが途切れるハプニングにも諦めず、なんとか思い出して最後までやりきった生徒に大きな拍手が送られる場面もありました。
全ての発表が終了。審査結果の発表が行われ、受賞した生徒は壇上で表彰を受けます。
最優秀賞に選ばれた生徒は、その日いちばんの拍手と称賛を受け、嬉しそうに笑顔をほころばせていました。
「みんなのハードワークに刺激を受けました。本当に今日までお疲れさまでした」。
審査をした先生からは、ここまでやりきった努力を労う温かいメッセージが伝えられました。
「暗記するだけではなく自分のことばにして話せるように練習してきました。練習のとおりにはいきませんでしたが、伝えたかったことは少しでも伝えられたのかなと思います」。
「普段の授業では、間の取り方、発音の仕方、アクセントはあまりやらないのですが、今回はたくさん練習できて勉強になりました。作家や作品の理解・表現方法も学ぶことができました」。
生徒たちの感想には、成し遂げたことの充実感が詰まっていました。
レシテーションコンテストに至るまでの準備をとおして、英語力はもちろん、与えられた課題を最後までやり抜く力を身につけた生徒たち。グローバルに活躍する未来につながる確かな手応えを感じました。