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貢献をとおして実感した“絆”

December 23, 2018

関東・甲信越と静岡のSGH指定校の生徒が、グローバルな社会・ビジネスの課題をテーマとした研究の成果を発表する、『第3回関東・甲信越静地区 スーパーグローバルハイスクール課題研究発表会』が開催され、会を主催する立教大学の池袋キャンパスで、日頃取り組んできた活動の内容を伝えました。

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この日、各地から集った21校・102チームの生徒たちは、それぞれの研究内容を、プレゼンテーションかポスターセッションで発表。玉川学園からは1チーム、3名の生徒が、「2020年のオリンピックに向けて私たちができること」というテーマで「プレゼンテーションの部」に参加しました。

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朝10時、開会式からスタート。参加校の生徒と先生、観覧者、スタッフ、そして審査をする立教大学の先生方等約400名が集合した会場は、緊張感と高揚感、そして互いに学び合うことへの期待であふれていました。

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開会式の後は、それぞれに割り当てられた教室に移動し発表を進めます。

玉川学園の生徒が発表する会場は、発表する6校の生徒たち、先生、審査員、一般の方々等、約80名の聴衆でいっぱいです。大勢の人を前にした生徒たちは平常心を保とうと、「みんなでフォローし合おう!」と励まし合いつつ、プレゼン前のわずかな時間で台本や段取りを確認しました。

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いよいよ発表。活動のあらましやそこにかける想い、実行してみての成果とこれからの展望を、自分たちのことばでしっかりと伝えました。

「玉川学園がある町田市は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックで南アフリカ共和国のホストタウンに選ばれましたが、そのことは知っている町田市の人はあまりいませんでした」と、その活動のきっかけから丁寧に説明していきます。

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2017年の春にその現状を知り、「町田市が南アフリカのホストタウンに選ばれたことを知ってもらいたい」「町田市民に南アフリカについて知ってもらいたい」という2つの想いを抱き、南アフリカに関わる活動をはじめた3人。

現地での体験をとおして発展途上国の貧困や人権を学ぶ、海外研修プログラム『アフリカン・スタディーズ』に参加して南アフリカ共和国を訪問したり、町田市民にアンケートして南アフリカのイメージを調査したり、文化や歴史について学び理解を深めていきます。

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そして身につけた知識を活かして、町田市の人々に南アフリカについて知ってもらう企画の実施を決意。

学内外のさまざまな方たちの協力を受けながら、町田市役所が主催する町おこしのイベント“第12回 市民協働フェスティバル「まちカフェ!」”にブースを出展。多くの町田市民に、南アフリカの文化や町田市がホストタウンになったことを紹介することに成功しました。

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「今後は、市との連携を保ちつつ、さらに多くの企画をしたいと考えています。そして、この活動は後輩にも引き継いでいきます」。最後に、この取り組みの展望を示して継続性をアピール。元気のよい語り口とともに聴衆の耳目を集めていました。

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発表後は、審査員の立教大学の先生方との質疑応答。そこでも自分たちの考えを真摯に伝えるとともに、この活動のヒントを受け取りました。
また、偶然会場で観覧されていた町田市民の方から、「今まで全然知らなかったのですが、そのような取り組みがあったことに驚きました」という感想をいただきました。

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「先生方や友達がこのプレゼンづくりを応援してくれましたし、チームのみんながいたからここまでたどり着くことができました。そして、今日聞いてくれる人がいたからこそ、やってきたことが報われたという手応えを感じました。人のつながりの大切さを本当に実感しました」

発表をとおして、これまでやってきたことをあらためて振り返った生徒たち。達成感と安堵の笑顔で、互いの成果を称え、歓びを噛みしめました。

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教室でのプレゼンテーションが全て終わった後は、「ポスターセッションの部」に聞き手として参加。他校の生徒の発表を聞き、発表者と積極的に対話をして、社会課題への見識を深めます。

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この日の全ての課題研究発表を終え、審査の結果で選ばれた優秀チームの発表と表彰が行われます。残念ながら玉川学園の生徒の名前はありませんでしたが、参加した生徒たちは受賞者に惜しみない拍手を送りました。

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南アフリカと自分たちの学校がある地域を結ぶ活動をとおして、かけがえのない学びを得た生徒たち。自分たちの想いや、行動を起こすことでつながった、大切な絆への感謝を胸に、クリスマスのイルミネーションが輝く校舎を後にしました。