プロジェクト全体像

研究開発構想名

国際機関へキャリア選択する全人的リーダーの育成
実施規模

玉川学園高等部全日制普通科703名(高1~高3)、玉川学園中学部632名(中1~中3)
のうち、中学3年生212名および高1~3生703名の4学年で実施します。
概要

国際機関や国際NGOでリーダーとして活躍するために必要な、多様な文化を理解し、世界の諸問題に興味を持ち、その上で、正しい判断をし、強い意志を持って実行するためのコミュニケーション能力・語学力とリーダーシップを育成します。さらに、グローバルな学校としての文化を根付かせるための教員研修にも重点をおきます。
研究開発の目的・目標

国内外のグローバルな大学や国際機関とのつながり、様々な体験活動から、生徒に世界の諸問題に対する興味とイメージを喚起させ、将来のキャリアとして国際機関や国際NGOに勤務できるコミュニケーション力と視野を育成します。
・IB(国際バカロレア)の教育理念を参考にして、授業内における相互作用を手段とした教育実践とカリキュラムを開発します。
・既存の提携校やラウンドスクエアの利点を生かしたリーダーシップを滋養する海外研修のしくみを構築し、特に振り返りや成果の発表、討論の機会を持ちます。
・生徒の英語力を中心とした他者へのコミュニケーション能力の向上をはかるとともに、自己の内面との対話も行い他者への理解を深め、多様性を尊重できるリーダーとしてふさわしい精神的成熟をはかります。
・経験豊かな教育分野の国際NGOによる第三者評価を行い、グローバルな学校作りに欠かせない教員研修の充実をはかります。
現状の分析

文理進学割合から見ると、卒業生の約80%が文系学部へ進学しているものの、大学卒業後に国際機関や国際協力分野に就職する卒業生はほとんどなく、高校時に提供した国際交流プログラムが将来の進路に結びついていない傾向にあります。高校段階で国際機関の仕事や役割を明確にイメージすることで、大学卒業後も大学院進学や国際機関で必要なスキルアップや、長い目で見たキャリア計画が可能になること、様々な国際色豊かな体験を通して語学と共に豊かな内面を持つ全人的リーダーの育成を見据えています。
成果の普及

学内へはイントラネット「CHaT Net」による成果の発信を行い、研修参加生徒による生徒発表会を実施し、校内に常設展示スペースを設置します。学外へはSNSに連動した日本語と英文のホームページを制作し、リアルタイムに成果を伝えます。
課題研究の内容

多くの国際機関の活動フィールドである「A.貧困」「B.人権」「C.環境」「D.外交(リーダーシップ)」「E.国際協力」の中から、さらに具体的な個人探究テーマを登録し、関連する活動に参加しながら理解を深めていきます。

【生徒個人研究テーマ例】
貧困:
・南アフリカのタウンシップ(スラム)における生活の現状と課題は何か
・ボツワナ農村部における貧困の現状と課題はどのようなものか
人権:
・ボツワナにおけるHIV/AIDSの現状と課題は何か
・紛争下の子どもはどのような人権問題があるか-現状と課題
環境:
・ドイツの環境教育と高校生の意識
・ケープタウンにおける世界遺産保護活動の現状と課題
外交(リーダーシップ):
・国連安全保障理事会改革への一考察-模擬国連活動を通して
・模擬国連活動を通した核廃絶へのシナリオへの提言
国際協力:
・日本政府による海外援助-ボツワナ・青年海外協力隊の活動を通して
・ボツワナに見るアフリカ投資最前線の実態とは
実施方法と検証評価

生徒は「基礎育成ステージ」「課題探究ステージ」と段階を踏みながら、学校でのグローバルな諸活動に参加し、リーダーとしての資質の向上をはかります。

基礎育成ステージ:
「グローバルキャリア講座」、「Tamagawa Super Global Leaders (TSGL)48認定制度」2つの活動を全員必修の基礎育成活動としています。この2つの活動を通して、世界の課題への興味と関心、全人性、リーダーシップ、コミュニケーション力を養成します。

課題探究ステージ:
基礎育成ステージを体験した生徒は、さらに具体的な個人探究テーマを登録し、関連する活動に参加しながら理解を深めていきます。

【実施モデル】
「A.貧困」・「B.人権」を選択した生徒のモデル:
・「ワールド・スタディーズ」「World Studies in English」の履修
・アフリカン・スタディーズへの参加・自由研究「グローバル・スタディーズ」の履修等
「C.環境」を選択した生徒のモデル:
・ラウンドスクエア「たまがわ会議」の企画・運営・参加
・ゲーテ研修(またはアフリカン・スタディーズ)へ参加
・自由研究「グローバル・スタディーズ」の履修等
「D.外交(リーダーシップ)」「E.国際協力」を選択した生徒のモデル:
・授業「模擬国連」の履修・MUN部(IB生徒)への参加
・アフリカン・スタディーズ研修
・ゲーテ校(ドイツ・フランクフルト)研修への参加等
その他の活動等

課題研究以外の研究開発の内容・実施方法・検証評価:
・玉川アドベンチャープログラムの実施(10年次全員必修)
・生徒の英語力の向上をはかる諸活動の実施(GTEC、レシテーションコンテスト開催、アカデミック・スキル・キャンプ、海外大学生との交流企画)
・国際教育NGOサスティナビリティー・フロンティア-ズ(SF)による効果測定を導入し、世界基準のカリキュラム開発を目指す。具体的には、SFによる参加生徒へのインタビューやアンケート調査を行い、ハイパネルミーティングにおいて運営指導、提言を実施
・大学(玉川大学他)とのグローバルな高大連携科目の設定

グローバル・リーダー育成に関する環境整備、教育課程課外の取組内容・実施方法:
海外交換研修を通して毎年約50名の海外生が本学生徒の家でホームステイ。ラウンドスクエア実行委員会の活動を強化しホームステイ家庭の受入数拡大を目指す。